2015
09.16

癌性悪液質

Category: 緩和ケア
**9月15日**
夫は自分の病状を良く分かっていなかったのかもしれない。
細くなった手足、体力の衰え。これじゃいけない、しっかり食べてこれ以上悪くなるのを防がなくてはと考えていた・・・

昼食どきに家に帰っていたのですが、病院に戻るとお茶碗がからになっていて、
「これからはこうやって食べていくよ。量も普通盛りにしてもらって」
お茶で流し込んだと言うのです。
「無理に食べなくていいのよ。食べたいものを食べられるだけで」
「少しでも筋肉つけなきゃ動けなくなっちゃう」

ここで私は言わなくていいことを言ってしまった・・・
「筋肉は次第に痩せていくって先生がこの前言ってたよね。そのことって、がん性悪液質っていって避けられないものらしい」
「食べても無駄ってことか?」
無駄ではないけど効果がでるほど食べるのって難しいかもしれない、だから無理しないで、と答えた私の言葉を聞いたか聞かなかったのか黙り込んで、
「この話はおしまいにしてくれ、しばらく・・・俺が消化するまで」

気まずい空気を必死に振り払おうとしていたその時、緩和病棟のもう一人の年配の先生が入ってこられました。
ベッドの脇にしゃがみ込んで夫の顔を見てニコッと微笑んでおられます。
事の顛末を話すと先生は、
「奥さんが理解しているとおりです。好きなものを無理なくおいしく食べる、これでいいんですよ」

そうなのです、私の言ったことは間違ってはいなかった、けれど、私が言うべきではなかったかもしれません。
そういうところを夫は「冷たい」というのかもしれない・・・

__________★__________


先生も看護師さんたちもとても優しくて、声を掛けて労わってくださいます。
私の涙腺は緩みっぱなしです。
緩んでしまった涙腺は夫の前でも同じようになってしまい、つい涙をこぼすと、
「まりが泣くと、俺は泣けなくなってしまうよ」


__________★__________


**9月16日**
きょうも病院のみんながとても気にかけてくれて、娘みたいな看護師さんに励まされ、涙はお預けにすることができました。
そして夫がシャットアウトした例の件を夫に恐る恐る聞いてみたら、
「大丈夫だよ、もう。俺が誤解してたんだ。栄養のあるものを食べて力をつければ退院できるって思ってたんだ。普通にしてればいいんだな」

夫が受けたショックは大きかったと思うけれど、
「同じ方向を向くことができて良かったね」
と心理カウンセラーに言われました。

みなさんありがとうございました。



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コメント
今晩は。

そうですね。好きな物を好きなだけ、美味しい物を食べられるだけ、それが一番ですね。

私の兄の場合は、我が儘だったので食事が始まっても
食べたいものが思いつくと、兄嫁に買ってきてもらったみたいです。

美味しい物が一番のお薬ですね。

緩和病棟の医師や看護婦は一般の医師たちと違って
本当に心の優しい方ばかりですね。
マロンとカリンdot 2015.09.16 21:31 | 編集
 ☆マロンとカリンさん

何が食べたいと聞いてもこのごろは「うーん」と。
そしてお茶で流し込むような食べ方を見るのは辛いです。

病気になる前、「好きなものがお酒」のころは果物はあまり食べませんでしたが、近ごろは好んで食べるようになりました。
実りの秋、生産県に住んでいますので穫れたてを買ってきます。
わすれ草dot 2015.09.17 07:46 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2015.09.17 17:44 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2015.09.17 18:37 | 編集
 ☆17:44 の鍵コメさん

ありがとうございます。
このあと鍵コメさんのブログに書かせていただきます。

dot 2015.09.17 19:51 | 編集
 ☆18:37 の鍵コメさん

ありがとうございます。
鍵コメさんのブログへ書かせていただきます。
dot 2015.09.17 19:55 | 編集
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